シニアネット仙台オールディーズoldays

 仙台市で活動しているNPO法人「シニアのための市民ネットワーク仙台(通称シニアネット仙台)」のアーカイブサイトです。1995年(平成7年8月12日)の発足直後に立ち上げ、ほぼ10年にわたって運用したホームページのデータを再編集してブログに仕立てました。最後の記事は、故桂直之さんがボランティアで93回にわたって連載した映画評論「なんでもシネマ」の2016年の投稿でした。多くの人たちがボランティアでかかわった市民活動草創期の熱気を感じていただければ幸いです。当時はインターネット環境が始まったばかりで、ホームページも手探りで作りました。市販の参考書を見ながらテキストエディタを使ってページごとに作成しています。その後、公式サイトをリニューアルするにあたって、連動させることが難しくなり、大量のデータをいったんハードディスクに一括保存してありました。このままでは貴重なデータが散逸することになるため、ブログの形で再構築することにしました。投稿年次が記載されていない、背景説明が足りないなど、そのままでは事情を読み取れないデータも数多くあるので、適宜、追加編集しながら整備していきます。公開したのはごく一部のデータです。今後、大量の記事、写真を編集し直し、ブログに投入する必要があります。シニアネット仙台発足以来シニアネット仙台にかかわったみなさんの顔を思い浮かべながらの編集作業を続けることにします。(文責 佐藤和文)

ボランティア

yama 今日からスマートバレー・ジャパンの山藤さんがSeniorNetでの活動を開始しました。私は午前中だけ彼のオリエンテーションに参加して、一緒にワークしました。前に報告したかもしれませんが、彼の奥さんはアメリカ人で、彼の英語はネーティブ並みです。また、彼はマックを使うことになりました。

 SeniorNetのオフィスに20台のパソコンがあるのですが、Windowsが入っているのは(IBMコンパチ)僅かに3台です。全米で今日現在168のラーニングセンターがあるのですが、そこに6台以上あるコンピューターの殆ど全てがIBMマシーンなのだそうで、先に送ったテキストもIBM/Microsoftの組み合わせでできています。


 ラーニングセンターを担当しているSiniorNetのDirectorがIBMのOBで、オフィスでも彼と彼の部下がWindowsを使っています。


 SeniorNetのAnn Wrixon, Francine Lester,(Bus. & Finance Director), Carolyn Carr,(JUCEE Staff), 山藤さんと一緒に 撮った写真を送ります。(19990806)

 「タイムダラーネットワーク」の事務局長、アナ・ミヤレスさんが10月11日、宮城県など主催のシンポジウムに出席するために仙台を訪れました。「タイムダラー」は「時間預託制」といわれる、新しいボランティアシステムです。ボランティア活動に充てた時間を積み立て、自分や家族、友人のために使うことができます。日本でも200を超える団体やグループが時間預託の考え方をさまざまな形で取り入れています。米国での様子をミヤレスさんに聞きました。

【編集メモ】参考情報
 アナ・ミヤレスさんの来日は長寿社会文化協会の1996年度事業の中で実現した。この年、ミヤレスさんは全国6カ所でシンポジウムなどに出席した。

「シンポジウム創造的ボランティア活動の発展のために」報告書
 事業名 ボランティア活動発展のためのシンポジウムの開催
 団体名 長寿社会文化協会 
(ここまで参考情報)

 -タイムダラーについて説明してください。

 ミヤレスさん ボランティアを1時間すれば1点(1クレジット)になります。仕事の内容に関係なく時間に変えるので、だれでも参加できるところがみそです。高齢者や障害者にも他人の役に立つ能力が必ずあるので、だれかがだれかに一方的に施す関係にはなりません。

 -積み立てた時間はどうなりますか?

 ミヤレスさん ほかの人のボランティアを受けるのに使えます。預託した時間を寄付したり、兄弟や友人にプレゼントしてもいいわけです。ボランティアした時間をだれかに寄付すれば、1回のボランティアで2度、世の中のためになる計算になりませんか?

 -ネットワークへの参加状況を教えてください。

 ミヤレスさん マイアミの場合、約7000人のボランティアが参加しています。約半数はボランティアして時間を積み立てる一方、自分もボランティアを利用しています。約2000人は利用しないで預託しています。ボランティアした時間を人に寄付してしまうケースが300人。

 ボランティアしないで利用するだけの人は1200人ぐらいでしょうか。10年前にタイムダラーが始まった当初、ボランティアをする人の8割は退職者でしたが、今では6割足らずになりました。あとは若い世代です。

 -どのようなボランティアがありますか。

 ミヤレスさん 日本では、在宅ケアばかりが注目されているようですが、米国では、車での送迎や話し相手、家や道具の修理、草取り、役所に出す書類の代書、翻訳サービス、カウンセリングなど、ありとあらゆる仕事があります。

 -全米にどれぐらい広がっていますか?

 ミヤレスさん 42の州で約600のスモールシステムが動いています。タイムダラーは政府が27ドルかける仕事を39セントでできます。納税者のためにもなるシステムです。今世紀、米国も日本も核家族化が進みましたが、今こそ、地域で助け合うシステムをつくり、人々を「家族」と「地域」のもとに帰さなければなりません。

 アナ・ミヤレスさん(米国タイムダラー事務局長、フロリダ州マイアミ市在住。元銀行家)

             (会報「シニアネット仙台」1996年8月号より)


  シニアネットワークの呼び掛けで組織された「食事サービスネットワークみやぎ」が順調に活動を続けています。二十七日に仙台市太白区長町のシニアネット事務所で開かれた打ち合わせを傍聴した中からいくつかのポイントを紹介します。

 ①食事サービスには多彩な側面がある。

 「食事サービスはあらゆる福祉の中で最も大変な問題かもしれない」。メンバーの一人はそう強調しました。高齢社会と食事サービスの問題は一筋縄では行きません。話し合いの中でも、重要なキーワードがいくつも飛び出しました。思い付くままに列挙します。

 拠点、スタッフ、行政と市民、ヘルパー、訪問看護、企業、男、リーダー、高齢化と子供、交流の場、地域づくり、市民センター、小学校、ボランティア、主婦の余暇利用、営業体、おじさまと女学生、食事サービスの必要性、わたしたちは選択される側、ボランタリーには信頼が重要…

 ②食事サービスは本当に必要か

 「高齢者に食事をサービスすることをボランティアでやる必要性があるのかどうか、本当は腑に落ちていない」

 この日の話し合いの中で、最も重要な問題提起のように思えました。なぜ食事サービスが必要なのか。それをボランティアで行う意味がどこにあるのか。公的なサービスではなぜいけないのか。それぞれの問題に一つひとつ答えを出していくことが、「食事サービスネットワークみやぎ」が存在理由のようです。

 しかも、その答えは、ネットワークに参加した五つのグループの実践活動自体に含まれているような気がしました。例えば「腑に落ちていない」と発言したメンバーがすぐ続けて言っています。

 「施設に入らず在宅で生を全うしたいと願うことは、ぜいたくでもなんでもなくて、当然の願いです。それが個人の生き方の尊厳であり、個人の尊厳をみんなで保証しなければならないが、その辺の了解が、行政にも地域にも、実は、まだない」

 自分の家で生きたいと願うことは、今、困難な状況にあります。高齢社会の「在宅」を支える社会的なシステムをさまざまな形で実現しなければ、状況はますます難しくなる可能性があります。食事サービスは、高齢社会の「在宅」を支える重要な仕掛けとして、もっともっと議論され、可能性を探られなければなりません。

 ③小学校の調理室や市民センターの調理実習室を食事サービスに活用できないか  仙台市内の小学校の給食調理室の実績と市民センターの調理室の利用状況(平成六年度)を示すデータがシニアネットワークの調査で明らかにされました。特に注目されるのは市民センターの調理室が、年間平均で六十四回、千四百十九人の利用しかないことです。

 話し合いでは「市民センターを使えれば拠点の問題は一気に解決する」の声が出て、今後、可能性を求めていくことを確認しました。

 特定非営利活動法人「シニアのための市民ネットワーク仙台」(略称・シニアネット仙台)の第3回通常総会が平成13年5月12日、仙台市荒町市民センターで開かれました。

 総会には235人(委任状170人)が参加し、平成12年度事業報告、収支決算報告、平成13年度事業計画案、収支予算案、理事・幹事の選任に関する議案など7つの議案を原案通り承認しました。理事長には大内秀明さんが再任されました。

 13年度の事業計画には18の活動グループの計画を盛り込み、重点活動として、ボランティアの参加促進、会員メリットの開発、運営資金調達、シニアITプロジェクト、みやぎNPOプラザの運営プロジェクト、助成制度を活用した活動に関する検討-など7つの柱を上げています。

 重点活動のうち「ボランティアの参加促進」は、シニアネット仙台のようなNPO(nonprofit organization民間非営利活動団体)が、大勢のボランティアによって支えられていることをあらためて確認し、ボランティア活動の分野の拡大や参加促進、研修・養成、ボランティアコーディネーション(ボランティアの力をまとめる力、仕組み)の蓄積に取り組みます。

 「シニアITプロジェクト」は、シニア仙台のIT(情報技術)の活用を支援する取り組みで、PCサロンの活動が母体になります。「みやぎNPOプラザの運営プロジェクト」は、宮城県が仙台市宮城野区榴岡に開設した「みやぎNPOプラザ」関連の活動で、シニアネット仙台は、みやぎNPOプラザの運営業務の一部を宮城県から受託しています。

 「助成制度を活用した活動に関する検討」は、官民の助成制度を活用してNPOが事業に取り組む場合の問題点や可能性を研究します。「ひだまり」「ぽけっと・はうす」の活動の現状・問題点を把握しながら、方向性を模索します。

 議案審議の後、大内理事長が「21世紀のシニア像」と題して記念講演し、懇談・交流会も和やかに行われました。

 <新役員(敬称略)>
 【理事】大内秀明(理事長)、佐藤和文(副理事長)、阿部加津子、伊藤壽朗(財務)、小林睦(事務局長)、土生善美、樋口芳文、藤井敦史(専門家グループ担当)、緑川斐雄
 【監事】馬場亨、三浦二郎

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