「タイムダラーネットワーク」の事務局長、アナ・ミヤレスさんが10月11日、宮城県など主催のシンポジウムに出席するために仙台を訪れました。「タイムダラー」は「時間預託制」といわれる、新しいボランティアシステムです。ボランティア活動に充てた時間を積み立て、自分や家族、友人のために使うことができます。日本でも200を超える団体やグループが時間預託の考え方をさまざまな形で取り入れています。米国での様子をミヤレスさんに聞きました。
【編集メモ】参考情報
アナ・ミヤレスさんの来日は長寿社会文化協会の1996年度事業の中で実現した。この年、ミヤレスさんは全国6カ所でシンポジウムなどに出席した。
「シンポジウム創造的ボランティア活動の発展のために」報告書 事業名 ボランティア活動発展のためのシンポジウムの開催 団体名 長寿社会文化協会
(ここまで参考情報)
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アナ・ミヤレスさんの来日は長寿社会文化協会の1996年度事業の中で実現した。この年、ミヤレスさんは全国6カ所でシンポジウムなどに出席した。
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-タイムダラーについて説明してください。
ミヤレスさん ボランティアを1時間すれば1点(1クレジット)になります。仕事の内容に関係なく時間に変えるので、だれでも参加できるところがみそです。高齢者や障害者にも他人の役に立つ能力が必ずあるので、だれかがだれかに一方的に施す関係にはなりません。
-積み立てた時間はどうなりますか?
ミヤレスさん ほかの人のボランティアを受けるのに使えます。預託した時間を寄付したり、兄弟や友人にプレゼントしてもいいわけです。ボランティアした時間をだれかに寄付すれば、1回のボランティアで2度、世の中のためになる計算になりませんか?
-ネットワークへの参加状況を教えてください。
ミヤレスさん マイアミの場合、約7000人のボランティアが参加しています。約半数はボランティアして時間を積み立てる一方、自分もボランティアを利用しています。約2000人は利用しないで預託しています。ボランティアした時間を人に寄付してしまうケースが300人。
ボランティアしないで利用するだけの人は1200人ぐらいでしょうか。10年前にタイムダラーが始まった当初、ボランティアをする人の8割は退職者でしたが、今では6割足らずになりました。あとは若い世代です。
-どのようなボランティアがありますか。
ミヤレスさん 日本では、在宅ケアばかりが注目されているようですが、米国では、車での送迎や話し相手、家や道具の修理、草取り、役所に出す書類の代書、翻訳サービス、カウンセリングなど、ありとあらゆる仕事があります。
-全米にどれぐらい広がっていますか?
ミヤレスさん 42の州で約600のスモールシステムが動いています。タイムダラーは政府が27ドルかける仕事を39セントでできます。納税者のためにもなるシステムです。今世紀、米国も日本も核家族化が進みましたが、今こそ、地域で助け合うシステムをつくり、人々を「家族」と「地域」のもとに帰さなければなりません。
アナ・ミヤレスさん(米国タイムダラー事務局長、フロリダ州マイアミ市在住。元銀行家)